■次世代育成

常務理事奥野佐千子

令和2年4月に京都府舞鶴市に単身赴任した。
毎週末、自宅のある滋賀県長浜市に帰り家族との時間を過ごしている。片道2時間半のドライブである。
金曜日、仕事を終えてから、舞鶴から福井県高浜市・小浜市を通り県境の峠を越えて帰ってくる。
一週間の出来事を、漫然と振り返りながら車を走らせる。
土曜の早朝に帰る時もある。左手に日本海を見て、山を越え、湖岸道路に出ると右手にびわ湖が見える。
とても美しい風景である。季節ごとの花々も楽しみのひとつ。
4月は桜、6月は紫陽花。極寒の早朝の峠では、樹氷を見ることができた。
今はコスモスの時期。

赴任してからずっとコロナ禍で、病院中が経験したことのない対応に大変だった。
感染対策本部会議、発熱外来の設置や疑似患者の受け入れ体制整備。
病棟の人員配置や自治体のワクチン接種応援。
第5波の時にはいよいよ陽性患者を受け入れることになった。
1病棟を感染エリアにして看護師を配置したが、10月から対象患者がなく、応援業務をしてもらっている。
看護師達のモチベーションを保つためのローテーションを11月から開始した。

色々な出来事があったが、その都度、週末のドライブでリフレクションできた。

10月初めに帰省した時のこと。自宅のリビングから見えるお隣の庭木にキジバトが巣をつくっていた。
卵を温めている様子だった。
11月、その雛が孵った様子。ずっと巣を守っていた親鳥がいなくなっている。
巣の中になんとなく雛の息遣いが見える。2羽いる。
しばらく、見ていると親鳥が巣に帰ってきて、雛に餌を与え始めた。
雛たちは一生懸命、親鳥から餌をもらっている。

来週帰ってきたらもっと成長しているかな?と楽しみが増えた。

日曜日の午後、また舞鶴に向かう。日本海に沈む夕焼けをみながら、明日からの予定を頭の中で整理する。
キジバトの親子を思い出し、次世代を育てることの大切さを実感しながら。

2021年11月11日


 

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