■映画のお仕事

近畿ブロック 役員谷村美保

 昨年、ラジオ出演のことを書かせていただいたのですが、また面白い体験をしたので今日も書いてみたいと思います。

 自主製作映画で有名な監督さんが、海洋汚染をテーマにした特撮ヒーロー映画を作られるとのことで、キャスト(俳優)としてお誘いを頂き参加しました。方法は、コロナ禍を鑑みて、リモート撮影という特殊な方法でした。映像撮影は、それぞれの俳優がスタジオや自宅のグリーンバック1)の前で、シナリオに沿って演技しているところを撮影します。相手となる俳優さんが、別の場所で撮影している場合もあるので、距離感などは、カンが頼りです。音声収録は、プレスコ2)又はアフレコ3)で収録します。そして、このようにして作られた映像と音声を、監督の感性で1つの映画につないで作りあげます。

 さて、私の演技の大根ぶりはさておき、セリフの収録には一番苦労しました。普段講義などで話している話し方ではなく、キャラクターの心情に声色をシンクロさせることが大切です。棒読みにならないように、喜怒哀楽の感情を声で表現します。強弱を意識しながら口をハキハキと動かします。それが、とっても難しく何度もNGを出してしまいました。でも、NGを出しても、後で編集しやすいように、すぐに「ごめんなさい」と謝らないで、間をあけるのも大切なのだそうです。ともあれ、楽しく刺激的な体験でした。

1)
グリーンバックは、撮影した映像の特定の色の成分から映像の一部を透明にし、そこに別の映像を合成する技術であるクロマキー合成に役立つ緑色の布等アイテムのことです。映画撮影の現場でよく使われますが、背景色には人物の肌色と補色の関係にあるブルーやグリーンが多く使用され、もっとも身近な例ではニュースの天気予報などがわかりやすいです。
2)
プレスコは「プレスコアリング」の略です。この録音方法はアフレコの逆で、「まず音声が先にあり、映像を後からつける」という形式のものです。海外ではこちらの録音方法が主流です。
3)
アフレコは「アフターレコーディング」の略です。「まず映像が先に出来上がっていて、それを見てから音声を録音することです。
グリーンバック

 

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