■看護管理学会学術集会のお手伝い

副会長 佐藤美子
(川崎市立多摩病院 副院長・看護部長)

 アッという間に秋となり深まりを見せています。皆様、体調を整えて秋を楽しむ準備は出来ていらっしゃいますか?

 さて、今回は、8月末に開催され、初めてお手伝いをさせていただいた第19回日本看護管理学会学術集会in 福島についてつぶやかせていただきます。ちょっと長くなりますがお付き合いください。まずは、3000人近い参加者が集い、大盛況のうちに終えた今回の学会について、運営にあたった関係者の方々、本当にご苦労様、そして、お疲れ様でした。

 第19回日本看護管理学会学術集会は、震災の復興も兼ね福島(郡山市)にて開催されました。学会開催の候補地として挙げられたのは、前々回の東京ビッグサイトを終了したあたりだったと思います。私は、3月末まで福島医大看護学部にて看護管理学領域の教員をしていたというご縁(福島県には看護学部や看護学科という4年生の看護系大学が県立医大1校しかありません)で、2013年末頃より、初の福島開催の学術集会のお手伝いを大会長より依頼されました(なんといっても、看護管理学会は、看護管理実践者と看護管理学の研究・教育者とのコラボに重点をおいています)。

 まず、取り組むにあたって重要となるテーマの選定です。集まった企画委員(福島県内の主たる病院の看護のトップマネジャーなど19名)により、現在の福島を象徴する何かを表すことにこだわって話し合いが重ねられました。共通して挙げられたのは、1日でも早い復興を願うけれど、私たちは、ずっと被災者ではないという強い気持ちでした。そして、ご存じの『乗り越える力・生み出す力』が誕生しました。この中には、私たちは、震災で多くのものを失ったが、得たものもあるはずという強い想いがこめられています。まさに生み出す力としてのレジリエンスです。そこから先は、このテーマを前面に打ち出すための基調講演、特別講演、教育講演のテーマと講師の選定です。次々と企画委員のネットワークやコネクションが活用され、相応しい講師が提案されていきました。看護管理者のパワーが結集された瞬間でした。


 さて、プログラムが決定し、発表演題の査読が終了すると早前日となりました。午前中より業者による会場作りが始まっています。企画委員と各会場責任者による打ち合わせが午後の半日かけて行われました。大会を象徴するターコイズブルーのポロシャツが実行委員に配布され、否が応でも大会のムードが盛り上がってきます。実行委員の中には、アドレナリンがみなぎり、すでに“始まりの鐘”が体中に鳴り響きます。明日の天気は?参加者の動線は?ランチョンセミナーの予約券の配布は?県知事の会場入りは?などなど。不安と疑問が表出されると、自然に誰かから新たなアイディアが浮かび、活発な意見交換がその場でなされます。目標に向かい、全員で創り上げるという力強さを、久しぶりにダイレクトに感じた3日間でした。

 大会の2日間に関わったボランティアの累計は約200名、福島県内の看護学生さんや看護師さん方です。開催3か月前から、ボランティアの依頼やメンバーの選定など県内の看護管理者の勢いはとどまるところを知りません。あっという間にボランティアを集め、各パートの責任者を決め、適材適所の配置が完成しました。開催日の両日とも7:15に集合し、郡山駅前の案内や、会場内の発表のアシスタントなど丁寧に務めていただきました。大会は、参加された皆さんが肌で感じた福島そのものになったと思います。ただ、残念だったのは、会場のビッグパレットが駅前から車で10分-15分という距離だったため、バスなどでの交通手段が行き届かなったことです。申し訳ありませんでした。

 最後に忘れてならないのは、大会長である佐藤エキ子さんの大会全体を常に俯瞰してみる眼と、当日2日間に渡り会場を仕切った実行委員長の遠藤利子さんの実行力です。さらに、福島の看護管理者の皆さんの、いつでも、どこでも、誰にでも発せられた気配りは、シャイな福島の人たちらしい最高のプレゼントになったと思います。そんな大会の運営を微力ながらお手伝いさせていただいたことに感謝しております。本当に大変でしたが、本当に楽しく貴重な体験でした。是非、皆さんもチャンスがあったら、参加する学会だけでなく、動かしてみる学会を体験下さい。それでは、企画・実行委員の皆様、ゆっくり休養して下さい。(といっても翌週には、同会場で日本看護協会の慢性期看護学会があったようですが!)そして、今後のご活躍を!

 
大会のポスター 青が基調になっています。 講師や座長への記念品会津の特産品-「起き上がり小法師」
 

2015年9月29日


 

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