■修羅場?

中四国ブロック役員 済生会松山病院 松本久美子

先日、放送大学で「看護のための教育学」を学んだ。この科目を選択した理由は、多くの看護師養成機関に於いて教育学の授業が開講されているにも関わらず、恥ずかしながら自分自身がこれまでに教育学という学問を正規に学んでこなかったからだ。

約6年前、自施設にクリニカル・ラダー制を導入し現在までに教育体制を整えてきた。しかし、その結果は思うような評価ではないと思える。目指すところの「自ら判断し行動する」看護師を育てるには、与えられる教育ではなく各自の自律心の向上が望まれる。

講義の中で、カリスマ教育者で有名な「大村はま先生」の貴重な言葉の紹介があり「教師・教育を看護師に置き換えて」読んでみた。これから看護師(教師)になる若い人が、「自分には何もできないけれど、看護(教育)への愛がある、真心がある。これでやっていくんだ」とよく言います。しかし、熱心と愛情、それだけでやれることは看護(教育)の世界には無い。スンナリと収まりその通りで妙に納得させられた。

看護師は人の発達を理解し家族をひっくるめた人間の一生にも関わっていく仕事である。看護師はあらゆる場面で指導を行って、全ての看護師が何らかの教育的役割を担っているといえる。その為、自分自身の学習について責任を持ちキャリアを築いていくことが大事になる。「そんな看護師を育てたい。育って欲しい」と叫びたいくらいの気持ちだ。これからも修羅場が待っている。


 

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