■悲願紀行

常務理事白井麻希

看護学生時代、第二次世界大戦に関する書物をずーっと読んでいた頃がありました。その影響から、アウシュビッツ強制収容所に行きたいと思っていました。時が過ぎて30余年、念願叶い今夏に行ってきました。
 この収容所は1940年、ヒトラーのナチス・ドイツによって作られ、ユダヤ人はじめ多くの犠牲者を出した負の遺産です。「Arbeit macht frei(働けば自由になる)」と掲げられた正門(写真上)・ガス室・焼却炉・犠牲者の遺品・大規模な収容所の数々等、想像を絶する場でした。
 写真下は、外科病棟です。人体実験等行われていたそうです。ここに看護は存在していたんでしょうか?
 収容所ではユダヤ人がユダヤ人を管理していたようです。イスラエルの国旗を羽織って来ていたユダヤの人々はどんな想いで見学していたんでしょうか?
 正しいことにも正しくないことにも【管理】は存在することを再認識しました。恐怖や悲しみが目頭から胸の奥にかけてしばらく宿っていました。


 

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