■「鎌倉殿の13人」を見て思うこと

常務理事杉本百合香

皆さま、初めまして。新任理事の杉本です。どうぞよろしくお願いします。
 突然ですが、2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」です。私は、伊豆の国(出身地)が舞台ということで毎週楽しみにしています。源頼朝の死後に合議制で政治を動かしたとされる13人の人物像にも興味があります。三谷幸喜氏によって日本初の合議制はどう描かれるのでしょうか?
 いつの時代も意見の対立は発生します。時間と手間を惜しみ、異なる価値観を力ずくで抑え込もうとすれば、必ず歪や反発が生じます。「長い物には巻かれろ」的な発想は組織を停滞させます。結論を急がず掘り下げてみれば、正解は一つでなかったり、どちらでもない第三案がより実践的な解決に結びついたりすることがあるとわかっていても、つい結論を急いでしまいます。日々、対立を恐れずきちんとぶつかれる関係性を築きたいと思いながら、なかなか上手くいかない毎日です。
 鎌倉幕府と言えば、「いい国(1192年)つくろう」と暗記していたのですが、いつだったか「今は『いい箱(1185年)』だよ」と言われたことを思い出しました。幕府の成立を、頼朝が征夷大将軍になった年とするか、守護・地頭の任命権を獲得した年とするか、の違いだったと思います。今では、1180年から1192年までの間に徐々に整えられたので1192年に「成立」ではなく「完成した」と考えるようです。日々新たな発見があり、歴史も不変ではないと気付かされた出来事です。次に帰省した時は、見慣れた景色も違って見えるのではないかと楽しみです。


2022年3月2日


 

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