定年後、盛岡市役所子ども家庭総合支援センターの相談員になって早1年半が経過した。
当センターは平成30年に国の指針として市町村(岩手県は6か所)に設置された行政的支援の窓口である。支援世帯の背景にあるのは、家族形態の変化(核家族の増加による社会的閉鎖環境・ステップファミリー・シングル世帯等々)・親の精神疾患・経済的困窮・子への虐待等の家庭環境の問題である。親を選べない子ども達は生活環境に翻弄され、多岐にわたる問題を抱える(餓えや不潔・不登校・虞犯行為等々)。子ども自身の発達的特性があり生活に適応できず、親が養育疲労から虐待に至るケースも多い。
課題は多く多岐にわたる仕事内容だが、その場面に必ず「子ども」が存在するから、安心・安全を提供し笑顔を引き出したいと願い、日々実践している。子ども達からは「みき先生」「おばちゃん」「お婆ちゃん」まで、可愛らしい声で呼ばれているのも楽しい。定年後にやりたい仕事に就けたことに本当に感謝している。
今、最も実感しているのは「働くのが当たり前」だった定年までの世代感覚から、定年後でもチャンスをもらえて「働かせてもらえる有難さ」である。自分の生き方として、どうしたら「満足や達成感」を感じられる仕事ができるか、それは定年前から少しずつ自分の心の中に積み上げておくと良いかもしれない。看護の継続か否か・やりたいことはあるのか・どう生きていきたいのかを探ってみると、自分でも知らなかった意外な自分に出会えると思う。
定年前の皆さんも、少しずつ自分の内面と向き合う時間を作り、納得の「生き方」を模索してみませんか?♥♥
2022年10月3日