大阪から東京に住み、1年6ヵ月になる。
この間、生活上、特に食生活で感じる違いに気づき、関東と関西の地域文化について調べてみたくなった。
居酒屋さんで「かしわ」「なんきん」が通じなかったり、注文に「なべ」というと笑われたり、いやいや表現が可笑しい? 東京に住んで初めての夏に「鱧が食べたいなぁ」と急に思いつき、東京の友人に「ハモ食べたい」というと「その食べ物は何」という反応が返ってきたことにはかなり驚いた。ともあれ、これまで食事の味については、薄味の関西、濃い口の関東ぐらいの印象しかなかった。
よく言ううどんのダシ汁の違いは決定的である。
看護研修学校の図書館に依頼し、関東と関西の文化の違いで調べると 元旦の喫食料理に関する地域特性や食べ物のおいしさ、うどんの地域的特徴などが書かれた文献があった。
また、食文化だけでなく、人とのやりとりにおいて、関東と関西では違いがあるのか、笑いの文化の地域性などの報告論文があった。
笑いはNHKの朝ドラ「わろてんか」を視聴する事として、どの内容も興味深く、やはり関東・関西を比較し、文化の地域性の影響を検討していた。
石毛直道氏の著書「人類の食文化」によると私たち日本人が食物についての話を公然とするようになったのは、そう古いことではない。大人、とくに男性が食について大声で論じることは「はしたない」こととされ、自分の本業とは違った次元における「遊び」としての発言という姿勢をとることが多かった。しかし、堂々と論じあうことがこの新しい分野を育てる。
そして「比較すること」「歴史を知ること」文化を比較することによって共通性と多様性を抽出することができる。と書かれていることを考えるとこれから食の文化の研究は新たな分野として発展していくのであろう。
食文化が多様化される現在、東京と大阪の食文化がどのように変わっていくか、ますます興味深くなる。少なくても全国に様々な食のチェーン店ができ、同じ味が担保できる時代がきた。あのチェーン店の味は大阪も東京も同じ味なのか、また東京に馴染む味付けがされ味が濃いのであろうか。
試しに食してみたくなった。