■看護職と高齢社会の働き方改革

近畿地区ブロック原田 幸子

過日、歌舞伎を観劇に行き、日本の古来より伝えられてきた文化、新しさを組み込みながら粛々と伝えられる歌舞伎の技と裏方の技術者による舞台装置の重厚さや手による段取りも素晴らしい和の世界にあっという間に非日常に引き込まれて行きました。歴史や伝統の重厚さに演じておられる歌舞伎役者の親子何代にもわたって受け継がれてきたたゆまぬ精進により作り出されて観る人たちに感動を与えているのだろうと唯々感動しました。歌舞伎について造詣が深くない私は、歌舞伎梨園の幼い御曹司による堂々とした立ち居振る舞いの素晴らしさに感動しました。

その時なぜか背景も立場も全然違うのに看護職は生涯看護師という言葉が思い出されました。勿論長く看護師として働いている人に対しての言葉だとは思いますが、私自身も看護師の〇〇さんと認識され今でも学生時代の友人から今でも医療や看護に関する相談を受けることがあります。生涯現役などと長く働くことを求められている昨今、私は生涯看護師なのだろうかと改めて考えてしまいます。

さて、現在推し進められている働き方改革は働く者にとっては良いことだ「やっと」という思いがあったのですが、反面周囲では様々な変化も起きております。年休取得などもあり深刻な人手不足が起き、今までの体制が保てなくなった飲食店や、交通機関にもタクシーが車はあるが運転手不足、航空会社も人手不足で航空便の運休が生じています。宅配も料金の改正や時間の制限と厳しくなってきております。今までの社会通念の変化と生活者として便利を享受してきた私たちも日々の生活での意識改革が必要なのだと改めて日々実感しております。

地域包括ケアシステムが推し進められていく中、社会の変化と共に看護職の役割も拡大しています。地域のすべての人たちとの協働、助け合い、など地域での暮らし方、生き方、進む方向も含めてそれぞれの年齢や能力にあった働き方があり選択肢も多様なのだと思っています。

最近毎日のように高齢者による交通事故や児童虐待、今までにない衝撃的な事件を聞く度に、気持ちは暗くなってきます。これは報道のパワーなのか平和への警告なのかなと思いながらも少しでも明るく元気の出るニュースを探しています。


 

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