■新たな出発

関東甲信越ブロック 役員崎田一美

私事ですが5月31日付で7年2か月、看護部長として6年務めた病院を退職しました。
地域密着小規模病院の役割と収益を考え「法令遵守・身の丈にあった医療の提供」を信念として、命がけで看護部長の職務を実践してきました。

2021年1月に「クラスター判定」となり、76床ワンフロアーのゾーニング……ゾーニング中は廊下がベッドや床頭台、医療機器でいっぱいになりました。(入院患者がその状態をSNSにリアルタイムで投稿していました)午前の会議でゾーニング決定、午後14時には完了させました。
何も手伝わない医師たちが「もうゾーニング終わったの」と言った事を鮮明に覚えています。

同時期に職員全員のスクリーニングPCR検査で、病棟の責任者を含む看護師3名のCOVID‐19感染が判明し、目の前が真っ黒になりました。

感染管理認定看護師も居ない、看護師長も居ない小規模病院の看護部長として「有事の時」直接現場で指揮をとり、また実践者として病院に泊まり込み休みなく働きました。
また感染した看護師が職場復帰するまでの間、毎朝必ずラインでの会話を実施しました。

新聞に「I病院クラスター」と発表された直後、埼玉県看護協会/埼玉県看護連盟からガウン・マスク等の支援物資が看護部長 崎田一美宛に送られてきたときは本当にありがたかったと記憶しています。

おかげ様で、職員の努力もあり、早期に終息宣言ができました。あれから100日以上院内感染もなく、スタッフの感染もありません。

COVID‐19感染患者の経験があるという事で埼玉県と川越市から「陽性患者の受け入れ」の要請があり「陽性患者用病床4床」届け出をすることになりました。

I病院看護部の職員は、クラスター判定・職員の感染・陽性患者受け入れ決定等の目まぐるしい職場環境の変化の中「退職希望者ゼロ」粛々と業務に取り組んでくれています。看護部長として感謝しかありません。また職員のご家族にも感謝しかありません。

感謝の言葉を残し5月21日に最後の出勤でした。予想以上「職員から暖かな言葉」をいただきました。また他部署を含め沢山の花束をいただきました。「終わり良ければ総て良」6年間看護部長として必死で頑張った事が間違いなかったと確信した瞬間でした。

この経験を活かし新天地で「看護管理者」として決意新たに頑張ります。

2021年6月01日


 

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